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ダッカを戦争の始まりと見る向きがあるが・・

 バングラデシュ人は本来温厚と言われている。国旗は日本に似せて、日本の良いところをリスペクトしている。そんな国の首都ダッカで、外国人を多数人質にとり、コーランを暗誦させて言えない人を殺害するという事件が起こった。

 このニュースに対し、佐藤優竹田青嗣などの識者の口から「戦争」や「第三次世界大戦」がもはや始まっているのではないかとの言葉が出てきた。難民問題からのイギリスのEU離脱やトランプ候補の躍進もそうで、世界各地でいろいろなものが爆発していると。

 新自由主義の推進者の本の中には、「各国の政府に何でも任せると世界大戦が起きてしまう。だから国際金融や多国籍企業が国に代わり世界の主役となる方が戦争回避のためには望ましい」という文章があった。本当にそうなのだろうか? 先の大戦の裏ではロスチャイルドやロックフェラーが情報や投資、武器等を巡って暗躍し拡大した実例は有名だ。

 国の重要性は、国民の衣食住に直結した政治、地震や台風が起きても災害地域への支援ができる等があり、決して兵器を持つところのみ見てはならない。一方、経済主体には自身の利益が優先されて国の法律や慣習、関税が邪魔となる。

 確かに多国籍企業を誘致して国の経済が潤うメリットもあるが、雇用は限られており、今回のダッカで事件を起こした彼らもむしろ外国人を敵視していた。

 戦争を起こしたのは国家政府だが、戦争を回避したり和平交渉をする主体も国家政府である。そう考えると、多国籍企業を有利にして国家を弱体化する小さな政府論はやはり受け入れがたい。

 教育や治安対策等で内乱を起こさせないようにするはずの国家の弱体化が問題であり、日本とて隙をみせればそうなる。

 イスラム教を悪く言い単純に欧米勢力側にいればいいという見方も、欧米に従って国を小さくというふうに見えてどうかと思う。