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日本の総理よりも東京の都知事という話

 前回の続きだが、日本の首長と東京の首長を比べると分かりやすい。

 国の1つとしての日本は、大国アメリカやヨーロッパ各国、ロシアや中国などがひしめく中で、安倍総理ぐらいのあまり大物ぶってない首長でよいかもしれない。

 しかし都市の1つとしての東京の場合、人口1200万人以上を誇る世界屈指の大都市であり、ニューヨークやロンドン、パリ等と並べても遜色ない。しかもアニメ文化の発信地アキハバラや、カワイイ文化のハラジュク、シブヤ、和食の中心地ギンザやツキジ等、海外の人が羨望するものをたくさん含む。そして安全。このような都市の首長にはオオモノが据えられるべきとなっても当然である。

 以上のような考え方で、かつての都知事には保守の重鎮、石原慎太郎が当選し、東京オリンピックの最高責任者には森元総理が選ばれたりした。しかしオオモノ(的なヒト)は細部が苦手だ。脇が甘いとたちまち突つかれる。今回の舛添都知事の問題は、まず大都市の首長にふさわしくないコモノ感(セコさ)が不満を持たれ、さらに公私混同したという重層的な構造となっており、「不適切だが違法でない」と言っても簡単には収まらない。

 むしろ戦略として、小泉総理が「人生いろいろ!」とタンカを切ったように、萎縮せずデンと構えた方が良かったのではないか? 石原都知事もそうするタイプだから、舛添以上の公私混同があっても大騒ぎにはならなかった。ただ舛添にはそれをやるワザがない・・。

 最後に、大都市東京が今後も続くとして、その首長にふさわしいオオモノは現代日本にいるのか? いないからこそ人選に苦しんでいる。橋下の名前も上がるがまだ小僧だろう。いないことをよく分かっているからか、「いま退陣して選挙になったとしても4年後のオリンピックの時期と次の選挙が重なってしまう」という話がよく流れている。

 日本の首長の方は、安倍の後も同程度の誰かがなり、役人の台本で何とかするのだろう。野田や菅の時もあった。先進国の一員とわきまえていれば、それなりに大丈夫かもしれない。要するにツマラナイ。