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厄介な説教好き

隣人愛を説いたというキリストだが、特に定住することなく一生放浪していたので住民としての隣人はいなかったはずだ。誰もが隣人とうまく付き合えれば定住が続いて苦労することはない。

 

私の曽祖父には5人の男子が生まれたが、上の4人は皆どこかに行き、店を開いたり独立して、結局5番目が跡を継いだことが謎だった。しかし、同じ部落内に非常に性格に難のある住人がいたことが原因ではなかったかと最近思えてきた。

 

この家は十何代も前から立場が上のため、威張っており、酒が入ると長時間の説教をする。これがため祖父の長男、つまり父も公務員をやめて60キロ南の工業地帯に引っ越し、祖父の夫婦も山や畑を残し晩年は父の世話になったのではないか? 社会学では単に国家の政策で多くの国民が太平洋コンビナートに移動したと説くが、実際はこうした厄介な隣人が主要な原因ではないのか?

 

厄介な隣人は大昔からおり、民族大移動の原因も食物を求めてだけではなく、これもあったかと思われる。

 

なぜなら、厄介な隣人の存在は解決が容易ではないからである。家を捨ててどこかに引っ越せば良いかもしれないが多額のカネがかかるので、結局は我慢する。そしておとなしい末っ子が残ったり、独立心ある子は他所へ移っていく。

 

田舎暮らしに憧れて都会から地方に引っ越した人の話の多くも、前から住んでいた住人からの虐めを受けて住み辛くなり、再度引っ越して移住者同士が暮らすコミュニティの中に入ってようやく解決したりする。

 

私も、この厄介な住人が高齢ではあれどいつかいなくなったら、田舎での暮らしも悪くないと思っている。ただ非常に元気でいつまでも憎まれ口を叩いているようだが。

 

会社にもいる。調べてみると、長時間の説教好きな人の心理は寂しがり屋で決してまともではないらしく、嫌な顔でもすれば敏感に感じ取ってさらに拍車がかかるので、嘘でもおだてるしかないらしい。

 

弁護士によると、30分以上かける説教はパワハラになるというが訴えて有罪が確定する例は少ないだろう。

 

 

良い状態を原因とする悪い状態の話

今さらながらサッカー日本代表のことを書く。

 

言うまでもなく、予選突破後の公式試合で、日本代表は長らく試合で勝てないでいた。このままではワールドカップ本番でグループリーグ3連敗は免れないと思われていた。

 

日本代表の主将は長谷部誠。ベストセラー「心を整える」の著者だ。その長谷部の考え方をもってしても、日本代表は最悪の状態に陥っていた。

 

本ブログも良い状態にもっていくことを考えていく部類に属する。メインサイト「ツインサイバーシステム」にその詳細は書いた。しかし最近、良い状態の維持継続の難しさを覚えてきた。

 

良い状態に至れば、当然ながら思い上がる。己惚れる。そうなってはいけないと思いつつも、良い結果を羨む声や恨む声、更には権力の持ち主からは過重な負担を新しく強いてきたりする。そして良い状態の維持継続が難しくなって、悪い状態に徐々に陥り、悪い結果を出してしまう。

 

日本代表も同様で、本戦出場決定後に羨む声や妬む声など様々な雑音が響いてきた。そして、テストマッチで敗戦を重ねるたびにマスメディアやサポーターから非難の嵐が吹いてくると、いかに心を整えても心を整えきれなくなってくる。

 

今振り返れば結局、ハリルホジッチ監督から西野監督に交代したことが良かったと言われているが、それが全てではなことは誰もが分かっているし、今後も本戦直前に監督を変えれば済む問題でもない。

 

ただ、長谷部なりにチームを叱咤激励して予選突破しても、その頂点が即、次の己惚れや嫉妬、雑音に変わり悪い状態に否応なく陥っていけば、いかに長谷部がもがいても簡単には良い状態にもっていけない。

 

どうしたら良いのか? 優勝国フランスや準優勝したクロアチア、3位のベルギー、これらの国は見ているかぎり良質な盛り上がり方をしていて、日本のような足を引っ張る雑音はなかったと考えられる。予選敗退したドイツや韓国にはあったと思われる。

 

意図的かどうかは別として、ハリルホジッチ監督の突然の解任は一種の事故が起きたようなものだった。人は事故や発病で心の中が瞬間的に変わる。家族が一致協力したり、縁遠くなっていた知友が見舞いに来たりする。

 

日本代表も、良い状態を原因とした悪い状態が、この事故で再び良い状態に変わった。

 

では、この話から現在悪くなっている状態も事故が助けてくれるのかというと、事故はやっぱり嫌なものだ。出来れば起きてほしくない。事故事例を参照してもそれだけでは足りない。

 

少し結論が書きにくくなってきたが、まとめれば、

 

・良い状態にもっていくことは大事だが、良い状態を原因とした悪い状態が発生する。

・そのメカニズムは良い状態に対する驕りや己惚れ、嫉妬、羨望などである。

・そして悪い状態に陥るとなかなか元には戻らず、例えば事故が発生することでリセットされる。

・しかし事故を起こせば良いという訳ではない。

 

ならば、この良い状態を原因とする状態の悪化という事実をもっと共有する、という方法がある。分かりやすく言えば賢くなれ、てだけの話だが。

 

W杯出場決定後のハリルホジッチ監督に対して、威張りやがって生意気な、という日本サッカー協会の複雑な感情は確かにあり、それが不振を契機に解任へと至った。ハリルは就任後すぐJリーグの低レベルさや選手の体脂肪率の数値など批判したものだった。面白かろうはずがない。ただその批判を真摯に受け止めて、協会と監督が協調すればこうはならなかった。

 

今度日本人の監督は協会とそんな対立は起こさないと思うが、勝利後に己惚れたり羨まれたりして不協和音が生じれば、良い状態の維持は困難になるだろう。

 

 

 

 

 

 

(西郷どん) 史実以上の真実を演じきっているドラマ

 大河ドラマ西郷どん」は、一度でなく何度も見返すことをお勧めしたい。

 

 特に後半の展開は、1つの言いたいことを中心に進行しているため、見返すと伏線やその回収を含めその要旨がよく伝わってくる。

 

 言いたいこととは何か? たびたび出てくるキーワードは「革命」。西郷は革命家として島から戻ってきた。

 

 しかし、現代の多くの視聴者にはこのキーワードそのものがよく理解できていない。革命? Tシャツにプリントされているキューバチェ・ゲバラのことか? そもそも西郷はあんなイケメンではない。

 

 そして日曜日に一度見ただけで先を争って感想を書き込みたがる。上から目線で「もう夏なのにまだ禁門の変では幕末の大事なポイントが端折られてしまう」に多くのいいねが押されていたりする。今回の大河、ヤフコメが非常につまらない特徴も目立っている。

 

 原作者・林真理子がどこまで革命を思って書いたかというとそこは怪しい。「男からも女からもモテた西郷」と言ったりしていたからだ。ところが、戦国でも源平でもなく、順番的に幕末で、では西郷でもやるかとなったところで、現代のある流れが影響してきた。

 

 今日の記事にもあった、シャープが白物家電の生産を国内の工場で行うことを終了させると。すでにパナソニックは全て海外に生産拠点を移しており、シャープはまだ粘った方なのだが、それでも日本が誇っていた高度な工業力が海外に敗れていく現実をまざまざと見せつけられた。

 

 そんな時代に放映される大河ドラマ西郷どん」。江戸幕府が現代の何に重なって見えるかは自明だろう。

 

 勝海舟のセリフ、「もう幕府なんざ、見限るこった」。

 

 現代に例えるなら、「もうシャープなんざ、見限るこった」。

 

 いや、シャープだけではない。ただトヨタや三菱、自民党などの伝統全てかというと、それも違うと思う。

 

 日大の田中理事長や、日本ボクシング連盟の山根会長、これは該当し得る。「もう山根なんざ、見限るこった」

 

 そして村田諒太が立ち上がった。330名の署名が集まった。これも1つの「西郷どん」現象である。

 

 革命家としての西郷は、NHKが意図していなかったかもしれないが、視聴者の多くにそんな革命劇の流れを潜在意識に植え付け、さらに一部の若い視聴者には将来の現代的な革命家の種を植え付けたことだろう。そう思う。

 

 坂本竜馬が西郷を評して言った有名な、「大きく打ったら大きく響き、小さく打ったら小さく響く釣り鐘」という言葉を、ドラマでは先ず竜馬が小さく打ち、勝海舟が大きく打つ様子を描き、更に勝が竜馬に、「大当たりだが、小さく打ったお前はまだまだだな」と笑う。今まで読んだどの本にもそんな描写まではなかったが、確かに竜馬の名言をこれ以上ないかのように再現させた。

 

 そんな史実以上の真実を、役者たちは見事に演じきっている。

 

 

 

 

小動物系人間にも着目せよ

  小柄でおとなしく、仕事でも黙々と単純作業を地味に続けている人がいないだろうか?  周囲にいる何人かを思い出してほしい。

 

 彼らは一見あまり役に立たないような気がするが、実は我々の死活に関わる重要性があったりする。

 

 動物に例えるなら、当然ライオンでもキツネでもゾウでもない、ネズミのような小動物だ。ネズミは家の屋根裏にもいれば、海上でも船のなかにいたりする。そして船の中の穀物袋を破って餌にすることから、昔こんな諺(ことわざ)が生まれた。

 

  「沈みそうな船からはネズミが逃げる」

 

  もちろん海上の時ではない。港に接岸した時、この船は次の航海できっと沈むだろうと感知して、ネズミたちは逃げる。

 

 ネズミはライオンやキツネやサルのような能力を持たない代わりに、こうした防衛本能を持っている。

 

 だから、我々の近くで小動物系の人間が黙々と生きている間はまだ安心していい。大船に乗った気分という言葉もあるが沈没する可能性は低い。

 

 しかし、ネズミみたいだとバカにしていた彼らが次々といなくなれば、退職を申し出たり、次の転職先も彼らが地味に生きていける大船のような所だったりすれば、要注意である。

 

 ある会社にもそんな状況が起き、不安を覚えた責任者は社内を見直したものの、全体的に低レベルではあれど特に以前と大きく異なることはなかったため、自分さえしっかりしていれば大丈夫と何も手を打たなかった。

 

 ほどなく彼は港で下船することになった。そして船長を失った船は沖に出てまもなく舵取りを誤って沈没した。港で遭難する様子を見た彼は思い出した。ネズミ社員たちの退職はこのことだったと。

 

  普段からネズミたちが安心して過ごせるような余裕ある態勢づくりが大事である。

 

 

 

 

 

(最終編) NGな状態とOKな状態

この4回目を最終編とする。これらを読んで、恋愛や結婚、転職や転居、政治外交などがいきなり解決するわけではないが、少子化やハラスメント、政治的貧困がますます深刻化する中で、どんな姿勢がNGで(例えば評論家のようになること)、あるいはOKか(実際的な取引や投資など)、少しは明らかになると思う。

 

1~3の内容は前回にまとめた。

2018-06-01から1日間の記事一覧 - 賢者のつもり

 

4も、音声(アップローダー)をまず再生して、スライドを見ていただきたい。音声は本日から1ヶ月有効です。

 

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無料アプリの「合成音声機」、「MP3変換」、「音声ファイルのアップロードサービス」などを使えば、スライドシェアをスッキリとできることが分かったため、今回試みた次第である。
 
 

 

 

(続編) 恋愛は、やはり哲学より経済か?

3番目に恋愛論が来る。まず音声(Fast Uploader)を再生させ、スライドをご覧ください。1と2をまだ見ていない場合は、その下に貼り付けたので参考に。音声は本日から1ヶ月だけ有効です。

 

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1.前編

 
2.後編

(後編) 哲学史と経済学史の流れは似ている!?

サイバネティックスのダイナミックなアレンジ」後編が完成。前編をまだ見ていない人は、この下に貼り付けました。前回同様、音声を先に再生してからスライドを開いてください。音声は1か月間有効です。

 

哲学や経済学を一部知っているぐらいの人にはちょうどよい面白さではないでしょうか。

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先に前編を見てください。

 

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 次回(恋愛関係)はメインサイトにも未公開。来週中にはアップしたい。